2009年8月22日土曜日

798Biennaelが開催中です。



北京の798芸術区では、現在798Biennaleが開催されています。今回、東京画廊+BTAPは展示スペースをビエンナーレ会場として提供し、ドイツ人キュレーターAlexandra Hungerbuhlerによる企画展を開催しております。


“Transitional Aesthetics”と題された本展では、ニューヨークで制作活動を行っている女性人作家を中心に、作品を展示しています。ほとんどのアーティストがアメリカを拠点としていながらも、南アジア、中東、ラテンアメリカの出自です。自身の性別、国籍、民族などをテーマに作品を制作を行っており、アメリカ社会を批判的に描写する作品、宗教色が強く表れる作品が目立ちます。






展示作品のひとつ、メキシコ人アーティストErika Harrschさんの作品’Win a Passport’です。メキシコ人の米国への入国規制が厳しい現状をシニカルに捉え、北米の3カ国(カナダ・アメリカ・メキシコ)を自由に行き来することができる、架空の北米パスポートを制作。来場者は会場に設置されたルーレットを回して、当たればこのパスポートを入手することができるのです。




当日は彼女の作品に多くの来場者が殺到し、ルーレットは絶えず回っているのでした。


本ビエンナーレは9月12日まで開催されています。北京にお越しの際は、是非ご高覧下さいませ。

2009年8月4日火曜日

吉田暁子が練馬区美術館『絵画の、あつみ』(7月25日~)展に出展しています。

吉田暁子が現在、練馬区美術館で開催されております企画展『絵画の、あつみ』に出展しています。





絵画は通常、画面上のイメージに鑑賞者の視線が注がれますが、同展では絵画を額縁から外すことで、普段見ることのない絵画の裏面や、厚みへと注意を向けさせます。通常壁に掛けられるような作品も同展では彫刻のように置いて展示されており、鑑賞者は立体的に絵画を眺めることができるのです。

同展は美術館のコレクション作品を中心に展示していますが、吉田暁子の東京画廊+BTAPでの個展を訪れた学芸員の方から特別出品の依頼をいただき、本作の出品が実現しました。「作品を多面的に見る」というテーマで企画された同展において、視点から視点への移行によって空間を構成する吉田の作品は、他の展示作品とは一味違う、鑑賞体験となることでしょう。



和紙を使った作品「拠浸(きょじん)」は、美術館の建物正面の窓ガラス一面に張り巡らされており、外から見ると美術館の中で白い影が立ち上がっているように見えます。白い和紙はは二階の天井まで伸び、ダイナミックな外観で来場者を迎え入れます。幅12メートル、高さ9メートルにもなる本作は、過去に見ることのない、最大規模の吉田作品です。



美術館正面の上部は館内2階の渡り廊下に位置し、来場者が2つの展示スペース間を歩きながら作品を鑑賞できる構成になっています。天候によって外光の加減が異なり、毎秒ごとに作品は姿を変えていきます。また、鑑賞者の立ち位置によっても作品の見え方は異なり、多くの鑑賞者が動きながら作品を眺めます。






同展は8月23日(日)まで開催しておりますので、この機会にぜひお立ち寄りください。

練馬区立美術館「絵画の、あつみ-日本の絵画はうすっぺらか?」
展示期間:2009年7月25日(土)~8月23日(日)
開館時間:10:00AM~6:00PM(入館は5:00PMまで/休館日:月曜日)
観覧料:無料
展示作品:練馬区立美術館のコレクションから約60点の出品、および吉田暁子の新作