高橋淑人の作品は、西洋の現代美術に多くみられる抽象画のように見えますが、制作技法が非常に特徴的です。コンクリートの上にアクリル絵の具をたらし、和紙をかぶせて布でこする、という少しやっかいな制作工程を経て、高橋作品独特の色の濃淡や質感が生まれます。
本展ではペインティングのほかに、支持体をキャンバスから大理石へと変えて作られた新作も発表しています。床に直に置いて設置された本作品は、作品が台座から地上へと降り、自然と融合するように会場に馴染んでいます。
オープニング当日は不運にも台風が上陸しましたが、雨の中多くのお客様にご来場いただきました。多くの方が作品に顔を近づけて、その表面を覆う均一でない碧さに、心を奪われている様子でした。高橋淑人の作品には、視覚的な色彩だけではない、東洋的な自然観や精神世界が感じられるのかもしれません。
本展は11月1日(日)まで開催されています。(11月1日は「アフターヌーンギャラリーズ」というギャラリー巡りツアーが銀座で開催されます。)皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。
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