2009年9月26日土曜日

Essen近隣お薦め情報

展覧会を見に来てくださる方のために、以下、ギャラリー近隣の見どころ情報を少々。「Essenなんて行く機会がないわ」とおっしゃらず、ぜひ足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

Zollverein (@ Essen、ギャラリーから車で15分ほど)
世界遺産にもなっているツォルフェライン炭鉱の跡地。バウハウス様式の巨大な炭鉱採掘施設は、その建物の美しさから「世界で最も美しい炭鉱」と評されているとのことで、建物の迫力も素晴らしいのですが、ビジターセンターへあがる長いエスカレーターを上る時など、自分が石炭として運ばれているかのような、そんなわくわくした気分も味わうことができました。

ドイツ工業の歴史を見せるだけではなく、古い工場の中にデザイン製品をたくさん展示しているreddot design museum(redesigned by Norman Foster。正直、展示物よりも、空間の方に目がいってしまいました)があったり、SANAAによるZollverein School(デザインスクールの講堂(?)、イベント時以外は非公開のようです)が新しく建てられるなど、エリア全体を新しい観光資源としてフル活用していて、古い施設の再利用の大成功例として、とても見ごたえがあります。ビジターセンター横のカフェで食べれられるカレーソーセージCurrywurstとエッセンの地ビールStauderもお見逃しなく。


MEILENWERK (@ Dusseldorf、ギャラリーから車で20分ほど)
旧鉄道操車場だった建物を再利用した、クラシックカーの展示場です。展示場はバウハウススタイルの建築で、BTAPと雰囲気がとてもよく似ており、展示室の他には、クラシックカーのオーナーさんのプライベート車庫(!)や修理場、販売店の事務所、カフェ、グッズや書籍を販売する店舗など、車好きなら丸一日居ても飽きない空間です。車好きの金田さんはもちろん、車に無知なスタッフも、その美しさに感動でした。ドイツ一大きいと噂のケーキも、甘さ控え目でとても美味でした。

Konditorei Heinemann(@Dusseldorf、ギャラリーから車で15分ほど)
デュッセルドルフで有名なスイーツ屋さん。こちらのチョコレートバウムクーヘンはドイツ一との噂の絶品です。

SECOND OPINION(@Essen、ギャラリー3階)
ギャラリーの3階にあるアート・ラウンジ。毎週水曜日の夜オープンしています。作品を見た後は、ここで一息。ここのモヒートは格別です。バーテンダーのピーターさんは、ギャラリーのオーナーさんの古くからの友人で、ドイツ各地の色々なお酒を薦めてくださる他、面白いお話をたくさんしてくださいます。

ケルン大聖堂(@Koln、ギャラリーから車で40分ほど)
世界遺産のケルン大聖堂へも、アウトバーンを飛ばして、ギャラリーからそう遠くありません。賛否両論と言われているゲルハルト・リヒターGerhard Richterのステンドグラスもぜひお見逃しなく。

このほかにも、ギャラリーから少し足を延ばせば、見どころがたくさんあります。ぜひとも展覧会にお越しください!

2009年9月25日金曜日

金田勝一個展「Plastic Model of Landscapes」@Galerie Frank Schlag & Cie.(エッセン)

2009年9月25日から10月23日まで、ドイツ・エッセンのGalerie Frank Schlag & Cie.において、金田勝一個展「Plastic Model of Landscapes」が開催されています。同ギャラリーでは2005年12月の個展以来ほぼ4年ぶり、2回目の個展となる本展では、新作の平面作品19点、立体作品3点が展示されています。
ギャラリーは古い一軒家をギャラリーに改装した建物で、地上3階地下1階です。展示スペースは1階と2階で、金田さんの個展は2階で開催されています。



金田さんと言えばF-1のサメの立体を思い出される方が多いかと思いますが、元々は油画専攻で、平面作品も多数制作しています。金田さんにとって大切なのは、「作品と鑑賞者との間に生まれる空気」であり、「平面であれば平面でしか表現出来ない鑑賞者に対しての情報の操作があり」、「立体であれば立体でしか乗せ得ない情報の提示方法があり、それぞれのイメージに合わせて形態を選択」しています。
平面作品では、アトリエのある京都・亀岡を中心とした、金田さんの日常生活が映画のワンシーンのように描かれています。京都=日本の伝統文化の中心地と言われていますが、トラックがばんばん走る国道沿いの日常の景色は日本全国どこも変わらぬ、今の日本の風景です。

素材へのこだわりも一層顕著です。今回の平面作品は、キャンバスやパネルは一切使われず、支持体はすべてFRPです。その上に油絵具、工業用ウレタンペイント、ニス、サーフェーサーなどを使い、作品表面の艶やかさや豊かな色遣いで、金田さん独特の印象的な画面を構成していますが、素材の選択ということについて、展覧会を前に金田さんは次のようにおっしゃっていました。
「今日様々な素材、材料を手にする事が出来ます。それらの素材はそれぞれ鑑賞者に取って様々なイメージがあり、それらの素材のイメージを記号として選択し画面または立体物に並べていく事によって鑑賞者のイメージを操作し、描く事と等しい効果を得られないかと考えております。」

一方、立体作品のタイトルは「Human’s Own Evo」シリーズ。回を重ねて、Evo5まで進化しました。(個展で展示されているのはEvo4です。)人が図鑑に載ったらどうなるか?といいうことがきっかけで作り始めた作品で、利益を求めてスピード社会を走り続ける現代人を、止まったら死ぬサメおよびスピードの象徴であるF-1マシンを通して見つめています。

渾身の新作「white car -Cedric Sports Spider」を前に満面の笑みの金田さん。

オープニングは、多くのコレクターさんに来ていただき、金田さんの作品とドイツ料理を囲んでの、とても和気あいあいとした雰囲気の中、深夜遅くまで続きました。

秋も深まり、ヨーロッパでのアートイベントも目白押しですが、ドイツ方面へお越しの方は、ぜひお立ち寄りください!


2009年9月10日木曜日

大巻伸嗣@The Best Young Artists in ShContemporary09受賞

大巻さんを含む、Discoveriesへ出品している3名の作家さんが「The Best Young Artists in ShContemporary 09」に選ばれました。

2009年9月9日水曜日

大巻伸嗣@ShContemporary09

9月9日から13日まで中国・上海で開催されたアートフェア、ShContemporaryに大巻伸嗣作品が出品されました。今回、大巻作品が展示されたのは、通常のアートフェアのブースではなく、3人のキュレーターが選んだアーティストの作品が出品されているDiscoveriesのセクションです。

今回制作した作品は、大巻さんの代表作であるEchoシリーズのShContemporary特別バージョン「Echoes – Shanghai Road」で、床に敷いたレッドカーペットの上に白い水晶の粉で日本の伝統的な花を描きました。


大巻さんが描いているのは、着物などに描かれている伝統的な和の花柄です。花を描いたカーペットを観客が踏むことにより、花は崩れ、時間とともに新しい表情へと生まれ変わっていきます。花は、生命の象徴であるとともに、各土地を表す象徴であり、時間の移り変わりや再生を記録するモチーフです。


今回、上海という場所で作品を制作するにあたって、中国を表す色である赤をベースに、中国と日本とが交流してきた長い歴史を振り返るきっかけとして、また中国と日本の文化をつなぐ現代の懸け橋となるよう願いをこめ、新作「Echoes- Shanghai Road」は作られました。

9日のプレビュー直前まで、丸二日半、休みなく制作が続きました。


作品に足を踏み入れる直前の緊張の一瞬です。


アートフェアの開場のアナウンスとともに、一斉にみなさんに踏んでいただきました。


半日であっという間にお花の輪郭は崩れてしまいましたが、翌朝、大巻さんによって、再度お花が描かれました。毎朝、お花の再生が繰り返され、作品は毎日違う表情を見せてくれました。


作品が展示されていたのは4日半と大変短かったのですが、大変多くの方に作品をご覧いただく&踏んでいただくことができました。ご来場くださった皆様、ありがとうございました!

2009年9月7日月曜日

東京フォト2009(Tokyo Photo 2009)

東京画廊+BTAPは9月4日(金)よりベルサール六本木にて開催されました東京フォト2009(Tokyo Photo 2009)に出展いたしました。東京フォトは今年初めて立ち上げられた、写真に特化したアートフェアです。20店程度のギャラリーが今回参加をし、第一回目であるにも関わらず、会場は多くのお客様で賑わいました。



東京画廊は新正卓大巻伸嗣古家万山口理一吉田茂規ソンドンツァオフェイコウミョンクンの作品を出品しました。写真という同一のメディアでありながら、作家の年齢、国籍、技法、テーマに幅を持たせ、来場者に写真の多様性を見せる構成内容です。


大画面を5面連ねて展示したソンドンの「Waste Not」の写真作品は、その圧倒的なサイズ、スケール感から、多くの方の注目を集めていました。



古家万さんと吉田茂規さんの作品です。両作家の作品の前で立ち止まるお客様が非常に多かった印象です。都市の一風景を、それぞれが独特の質感、技法で捉えており、両作家の作品を見比べると、それぞれの個性が際立ちます。



山口理一さんの作品です。机、パソコン、人物がフレームの中に窮屈にあて込められて撮影されている写真で、大枠では同じ構図の作品でありながら、それぞれの人物、部屋が醸し出す空気感が異なり、全く違う印象を与えます。


新正卓の作品は、大画面サイズで展示。パッと見では画面上で何が起きているのか分からない作品ですが、何人かのお客様は作品の前に暫く立ち止まり、隠された作品の真意を探っている様子でした。


シャボン玉を飛ばすインスタレーション作品「Memorial Rebirth」の展示風景を写真に収めた、大巻伸嗣の作品です。昨年の横浜トリエンナーレで展示された同インスタレーション作品は、多くのお客様の記憶に色濃く残っているようで、皆様懐かしそうに作品を眺めていました。


ツァオフェイの作品は、多くの方が吸い寄せられるように見入っていました。ダースベーダーの知名度はやはり高いようです。



そしてコウミョンクンの彫刻(写真)作品です。フィルムをプラスチックに焼き付け、2次元の写真を三次元へと立ち上げさせる同作品は、「写真」を見に来た来場者にとっては、意表を突かれる作品だったようです。写真であるにも関わらず、作品の中には奥行き、深みが存在し、フィルムに焼き付けれられたイメージが、ほのかに動いているような印象さえ与えます。
初日から最終日まで、多くのお客様にご来場いただき、大盛況のうちに終了いたしました。ありがとうございました。

2009年9月3日木曜日

大巻伸嗣個展@SUN Contemporary(ソウル)

2009年9月3日から9月24日まで、韓国・ソウルのGallery SUN Contemporaryにて大巻伸嗣個展が開催されています。
(写真提供:Gallery SUN Contemporary)