2009年5月28日木曜日

大手町のJAビルに大巻伸嗣の作品が設置されました。

大手町に新設されましたJA(全農)ビルの1階エントランスに、大巻伸嗣の作品『Opened eyes - Closed eyes - blue atrium』が設置されました。




JAビルは窓が「田」の字のように配置され、農耕・牧畜を連想させる建築です。農耕文化の大切な資源である「水」を喚起させるようなアートワークを設置したいとの要望があり、大巻伸嗣の作品Opened Eyes Closed Eyesが選ばれました。4月の同ビルオープンに向けて、作家は半年前から制作を開始し、多くの関係者からの協力を得て、今回の作品設置が実現されました。


20メートル近い高さのエントランスホールに合わせた、大規模なインスタレーション作品です。10メートル以上の長さを有す作品を天井部分から吊るし、基本色である青色が空間全体を包み込みます。エスカレーターで2階3階へと登りながら作品を見上げると、透明のアクリルに挟み込まれた丸いガラスがさまざまな色を発します。複数の色を無造作に混ぜて作られたガラスは、一枚一枚配色が異なり、それぞれが独特な色の広がりを見せます。



JAビルは地下鉄からからの直結通路で繋がれているため、一般の方でもご自由にご覧いただけます。お近くにお出での際は、ぜひご鑑賞ください。

JAビル 
〒100-6832東京都千代田区大手町1-3-1   MAP

2009年5月26日火曜日

渡邊陽平が装幀画を手がけた書籍「てのひらたけ」(高田侑・著)が5月20日(木)より発売されています。

渡邊陽平が装幀画を手がけた書籍「てのひらたけ」(高田侑・著)が5月20日(木)より発売されています。


先日、上野の森美術館で開催されていたVOCA展をブログでご紹介しましたが、同展の渡邊作品を見たデザイナーの方から、直接作家の方へ問い合わせがあり、この装幀が実現しました。

本の内容を出版元の双葉社のHPから、以下抜粋いたします。

「山中で迷った僕は、山奥の不思議な村に辿りついた。そこで出会った少女と「約束」を交わすが…。切なくも希望に満ちたラブストーリー―表題作「てのひらたけ」。他、優しくも哀しいファンタジックな三編を収録。」

この短いあらすじだけしか読んでいない私が言うのも何ですが、渡邊の描く作品テーマと非常にマッチしていて、 驚きました。必読です!

「てのひらたけ」(高田侑 著) 発行元:双葉社 定価:1,680円 (本体 1,600円)

2009年5月25日月曜日

新正卓個展『Frame & Vision ― blesseing in forest』へのコメントをご紹介します。

美術批評家の大嶋浩さまから、本展に向けての以下コメントを頂戴いたしました。作家の強い希望もあり、今回弊社のブログで紹介する運びとなりました。皆様、ぜひご一読くださいませ。




拝啓 新正卓 様


新作「frame & vision ― blessing in forest」を大変、興味深く拝見させていただきました。オープニングの際には、直接、感想を述べる機会がありませんでしたが、現在、大学院の講義で「写真(カメラ)におけるフレーミング」の問題を取り上げていることもあり、非常に多くの示唆を受け、考えさせられるものを多く得ました。その一端を述べさせて頂こうと、筆をとった次第です。もちろん、あくまでもまだ直観的なものが多く含まれる分析ゆえ、舌足らずのところがありますが、僭越ながら感想を述べさせて頂きたいと思います。

まずは、つねに新しいことに挑み、挑戦し続ける、新正氏の姿勢に尊敬の念を表します。小林さんとはその方向性は異なりますが、過去の実績にとどまることなく、新たなことに挑み、試みようとする姿勢には、小林さん同様、尊敬に値するものです。

当初、案内DMをいただいた時は、正直、ランドアートやアースアートの類のいわばモダニズム美術に連なる、単なる「知」の表象にすぎない作品かなと思いました。しかし、実際に作品を拝見させていただくと、上記にはとどまらぬ興味を喚起させられました。それが先にも記したとおり、写真におけるフレーム(切り取り)の問題です。

フレームとは現実(それがセッティングされた事物であれ、現実の事物であれ)を切り取り、限定・規定された画面(フレーム)です。おそらく写真家(画家もまた、その限定・規定の方法は異なるとはいえ)は、現実の事物を限定・規定する(限定・規定することは、知覚の縮減でもあるわけですが、三次元から二次元へもその一つです)ことにより、一つのvisionを呈示すると思われます。つまり、現実から何かを区別・分離することで、ある何ものかをvisionとして対象化するわけです。ある意味、絵画的なイメージは純粋なvision(人間の理念的なもの)を呈示することができます。しかし、現実の事物を直接、切り取る(トレースする)写真というイメージは、絵画的なイメージと異なり、つねに現実の痕跡(鋳型)が関係し、侵入してきます。ここに写真というイメージがもつアポリアがあり、つねに問題となるところですが。しかし逆に言えば、ここにこそ、絵画的なイメージとは異なる可能性、力が秘められているとも言えます。

新正氏の新作は、この写真におけるフレームの機能を、絵画的なイメージとは異なるフレーミングとしてあらわにしているように思われました。新正氏はすでに過去の作品においても、フレーム内のフレーム(入れ子)問題を一つのサブテーマとして取り入れていました。以前に書かせていただいた論考では、あまりそれについて触れることはありませんでしたが、ここには「記憶(現実)のなかの記憶(vision、表現)」「記憶のなかの記録」という、記録と記憶の相互作用とも言うべき、写真特有の機能が示唆されていたと思っていました。

さて、「frame & vision ― blessing in forest」では、「現実とvision」の関係(入れ子)のきわめて抽象的、実験的な試みであると察し致しました。「frame & vision ― blessing in forest」では、現実の空間(森)に、紐を張り、空間を切り取り、それを再度、写真によってフレーミングして(切り取って)います。DMの作品紹介では、それが三次元から二次元への、立体から平面への写真というイメージの欺瞞(虚構)性、あるいは見ることの不確実性、視覚の曖昧性とありましたが、むしろ僕は、このことが写真の力であり、虚構の力ではないかと思いました。

なぜならば、写真というイメージに平面化することによって、フレームにおける外と内の融合を視覚化し、あらわにし、現前させているからです。つまり、限定・規定するフレーミング(つまりvision)に対して、入れ子構造により(この入れ子構造は、写真というイメージに変換することで初めて成立するものです)現実を侵入させ、いわば、メタvisionとも呼ぶべきものを現前させているわけです。

思えば、新正氏の写真は、このvisionへの侵入として現実の問題を主題化してきたように思えます。たとえば、新正氏にとっての乳母である「ユキ」の存在。それは記憶に対する、過去から現実への侵入であり、一閃のナイフによる切り裂きであり、あるいは逆に記録(歴史)に対する記憶の懐疑・告発・批評をうながしたように思われます。つまり写真というフレーミング(感覚の縮減)の入れ子によって、現実とvision、記録と記憶、外と内、そのいずれでもない、一つの裂け目、開かれを現前させているように思えます。さらに言えば、そこから浮かびあがるものこそが、現実では見ること、感じることが困難である、物質の内在的なエレメント、一森からの贈物なのではないでしょうか。

非常に舌足らずな物言いになりましたが、いろいろと思考を触発された作品でした。それでは失礼致します。僭越ながら、今後もまたさらなる実験的な作品を楽しみにしております。誤字・脱字を失礼いたします。


敬具 2009年5月13日 大嶋 浩




2009年5月20日水曜日

大岩オスカール個展「Asian Kitchen」会場風景です。

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大岩オスカール個展「Asian Kitchen」の会場風景です。作家さん自らご撮影いただきました。

2009年5月19日火曜日

BTAP(北京)で大岩オスカール個展「Asian Kitchen」を開催しています。

BTAPでは現在大岩オスカール個展「Asian Kitchen」を開催しています。中国本土での初の個展となる本展ではサイズ、ストーリー共に壮大な新作油彩画5点を中心に、旧作および版画なども多数展示しています。



大岩オスカールは日系2世のブラジル人アーティストで、日本国内では2008年に東京都現代美術館での個展「夢見る世界」が記憶に新しいかと思います。作家活動を開始して以来、ブラジル、東京、ニューヨークと拠点を移しながら制作を続け、現在では世界中のあらゆる地域で作品発表を行い、注目を集めています。


作家は5月13日から北京入りし、作品の設置や販売予定グッズの最終確認をしていただきました。北京スタッフとミーティングを行うオスカールさんです。



大岩作品の最大の特徴は、鑑賞者を取り込むような迫力のある大画面。BTAPのような大きなスペースでは、横幅4メートルの大作品は会場にすんなり馴染みます。1階スペースには油彩7点が並べて展示され、大岩の描きだす独創的な世界が空間全体を支配します。




またギャラリー入口には本展のロゴの看板を設置し、レストランのような演出でお客様を迎えます。オープニング当日には800人程のお客様にご来場いただきました。


本展では初日から個展用のアートグッズも多く販売しています。作家さんには開催の半年も前から、グッズの開発にご協力いただきました。


大岩オスカールのリトグラフ作品Animalsがプリントしたマグカップや、Asian Kitchenのロゴが入ったトートバッグ、またLight RabbitとShadow Catのキーホルダーも本展に向けて作成しました。Asian Kitchen関連グッズは、東京でもお買い求めいただけますので、ご興味のある方はぜひご連絡ください。
グッズについてはまた後日、ブログにて紹介したいと考えておりますので、ご期待ください!

2009年5月7日木曜日

新正卓個展「frame & vision -blessing in forest-」始まりました

GWはいかがお過ごしでしたでしょうか。
東京画廊+BTAP(東京)は本日から営業開始しております。

本日より、写真家新正卓さんの個展「frame & vision -blessing in forest-」が始まりました。新正先生、奥様、新正先生のお知り合いの方々など、あいにくのお天気にも関わらず、多くのお客様にお越しいただき、画廊は大盛況でした。お越しくださった皆様、どうもありがとうございます。今回の個展が初の公の場での発表となる「frame & vision –blessing in forest-」は、人間の視覚と写真の二次元性を検証する実験的構造の作品で、富士の樹海で撮影された一連のシリーズです。本シリーズ8作品を中心に、制作の様子を収めたDVDなどもご覧いただける内容となっております。

展覧会の詳しい内容につきましてはからご覧いただけます。

9日(土)は15時から新正先生、写真史家・写真評論家の大日方欣一さん、武蔵野美術大学の田中先生によるトークショーが開催されますので、どうぞご期待ください!またトークショーの後(17:00-19:00)、画廊の展示スペースにてオープニングレセプションも開催いたしますので、どうぞお気軽にご参加ください。皆様のご来廊を、心よりお待ち申し上げております。