JAビルは窓が「田」の字のように配置され、農耕・牧畜を連想させる建築です。農耕文化の大切な資源である「水」を喚起させるようなアートワークを設置したいとの要望があり、大巻伸嗣の作品Opened Eyes Closed Eyesが選ばれました。4月の同ビルオープンに向けて、作家は半年前から制作を開始し、多くの関係者からの協力を得て、今回の作品設置が実現されました。
20メートル近い高さのエントランスホールに合わせた、大規模なインスタレーション作品です。10メートル以上の長さを有す作品を天井部分から吊るし、基本色である青色が空間全体を包み込みます。エスカレーターで2階3階へと登りながら作品を見上げると、透明のアクリルに挟み込まれた丸いガラスがさまざまな色を発します。複数の色を無造作に混ぜて作られたガラスは、一枚一枚配色が異なり、それぞれが独特な色の広がりを見せます。