2009年12月6日日曜日

大巻伸嗣@The 6th Asia Pacific Triennial of Contemporary Art (APT6)

ブリスベンで開催されているAPT6に大巻さんが参加しています。

会場はブリスベンのQueensland Art Gallery(QAG)。ブリスベン川沿いにあるとても素敵な美術館です。
会期:2009年12月5日~2010年4月5日
会場:Queensland Art Gallery Gallery of Modern Art
http://qag.qld.gov.au/exhibitions/current/apt6

美術館内に展示されているのは、2006年にギャラリーA4、2007年に金沢21世紀美術館デザインギャラリーでも展示された作品のQAG版、「Liminal Air -descend 2007-2009-」です。

空気の流れと光を彫刻した作品であるLiminal Air -descend-ですが、今回の展示スペースは今までで一番大きなサイズとなり、約10万本にもおよぶ白いロープから成っています。真っ白な作品の中へ入り込むと、無数の紐が身体を取り囲み、視界は白一色となり、方向感覚も失い、ロープの重みで作品と一体化してしまうような、何ともいえない感覚を味わいます。

一方で、展示室はガラス張りとなっているので、中に入っている人々が動く様子を外から見て楽しむこともできます。白一色の世界の中でカラフルな洋服の子供たちがはしゃいでいる様子はなんとも美しく、またほほえましいです。

Queensland Art Galleryの客員キュレーターとしてAPTに携わっている飯田志保子さんとのトークの様子。

美術館のある場所はアボリジニの言葉で「KURILPA」というそうで、水源を意味するそうです。(ブリスベン都市部とサウスバンク地区を結んでいる美術館最寄りの橋の名前もKurilpa Bridgeです。)昔はアボリジニのいくつもの部族がここに集まり、動
物や果物を交換していた交易の場所であり、またアボリジニの成人の儀式を行っていた場所でもあり、今では近代的に整備されており、その面影はありませんが、アボリジニの方々にとっては文化的、歴史的にとても重要な場所だそうです。(QAG客員キュレーターの飯田さんから教えていただきました。)

オープニング当日とその週末にかけては、Special Presentationsとして2008年の横浜トリエンナーレでも話題となったMemorial Rebirthのパフォーマンスが連日行われました。




Memorial Rebirthは横浜トリエンナーレ以降各地で開催されてきましたが、その土地その土地特有の、しかし何気なく見過ごされてしまいがちな歴史的、文化的な記憶を浮かび上がらせ、観客とともにストーリーを創り出し、それをまた次の場所、時間へとつないでいくプロジェクトです。海外での開催は初でしたが、このような歴史的意味のある場所で、しかもプロジェクトの意義をわかりやすくきちんと伝えていただいたことで、子供からご年配の方まで、多くの方々に作品を楽しんでいただくことができました。

一般紙にも取り上げていただきました。
日本からもたくさんの方がブリスベンにいらしており、真夏のブリスベンは大変盛り上がりました。

日本からはYNGさん、名和晃平さん、さわひらきさんも参加されており、またその他の作家さんも錚々たるメンバーで、かなり見ごたえのある展覧会です。オーストラリア方面へ行かれる方は、ぜひお見逃しなく!

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