2009年6月6日土曜日

矢柳剛個展『一日一生、365日の痕跡 そして今』を開催しております。

現在、東京画廊+BTAPでは矢柳剛(Go Yayanagi)個展『一日一生、365日の痕跡 そして今』を開催しております。




先日もご紹介しましたが、矢柳剛は今年で76歳を迎える作家で、絵画・版画・彫刻・インスタレーションなど、幅広いジャンルにわたって制作活動を行っています。これまでブラジル、フランス、アフリカなど世界各国を渡り歩き、各地の自然環境、人間社会と対峙しながら、独特の作品世界を確立してきました。明快な輪郭と極彩色によって描かれた矢柳の作品は、アメリカのポップアートを彷彿させながらも、日本文化に受け継がれる平面的、漫画的描法が色濃く反映されています。マンガ文化がその一端を担っていると言っても過言ではない、日本の現代美術。矢柳剛の作品は、それら作品群の先駆けとして、1960年代から国際的に高い評価を得てきました。





今回は1983年に制作された365点のドローイング作品を壁一面を使って展示しています。同年の1月1日から12月31日まで、作家は一日も休まず描き続けました。日を追って一枚一枚を見ていくと、矢柳剛の心情の推移だけではなく、作家を取り巻く社会状況さえもが作品に反映されていることに驚かされます。それは矢柳が世界各地を遍歴するなかで、常に自然環境や各地の人間社会と向き合い、それを拒否することなく自身の創造活動に取り入れてきた事実を表しているのではないでしょうか。






オープニングレセプションは矢柳さんが故郷の十勝から仕入れた牛乳をお客様にお出しするという、異色のパーティーとなりましたが、先生のご友人にもたくさんお越しいただき、大盛況のうちに終了いたしました。





また本展に向けて、学生時代に服飾を専攻していた弊社のスタッフが、矢柳剛がデザインした布を使って、ワンピースを制作しました。「ファッションショーのように歩き回ってほしい」という作家さんのご希望もあり、オープニングではその衣装を身にまとった女性スタッフが、お客様に十勝の牛乳をお配りしました。矢柳剛と弊社スタッフのコラボレーションで、これまでにない印象的なオープニングとなりました。




お越しいただきましたお客様、ありがとうございました。本展は6月27日(土)まで開催しております。銀座にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

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