2009年6月19日金曜日

ニューヨーク近代美術館『Projects 90: Song Dong』

宋冬のMoMAでの個展『Projects 90: Song Dong』作品設営の様子をご紹介します。実験的な作品を紹介するProjectsのシリーズの第90回目となる今回は、2005年に北京の東京画廊+BTAPで開催されて以降、各地を巡回している「Waste Not/物尽其用」が展示されます。


会場に着くと、展示はだいぶ進んでいました。思わずため息が出るほどの迫力です。今回、「Waste Not/物尽其用」が展示される場所は、エントランスを入ってすぐ上のAtriumで、美術館に来る人のほぼ100%が作品を目にする場所にあるため、作品が作られていく過程を多くの方が興味深そうに鑑賞していました。


11時頃、宋冬一家が展示室に登場。「昨日までは朝早くから夜遅くまで設営して疲れがたまっていたので、今日はゆっくりさせてもらいました」とのこと。早速、キュレーターと軽く打合せをし、お姉さん、奥さん、スタッフと一緒に設営作業開始です。「今日で設営を終わらせるよ」とのことですが、未整理の段ボールが散乱している状態でした。


中央は宋冬と宋冬夫人のYin Xiuzhen。奥さんも世界各国で作品を発表しているアーティストですが、今回は宋冬のアシストのために、一緒にNYに来ています。

ひたすら並べ、

考え、

並べ直して、


置き直して、

姪御さんに指導し、

姪御さんもひたすら並べ、

ひたすら並べます。これをひたすらクレイト50箱分繰り返して、作品は完成してゆきます。


設営の合間にプレスの対応もこなします。この日はアメリカ国内の中国系新聞社からの取材と、New York Timesのカメラマンが撮影に来てくださいました。

完成前にも関わらず、多くの方が作品にくぎ付けとなっていました。金曜日の夕方以降は無料開放ということもあり、美術館はかなり混雑していましたが、それを差し引いても、この作品が持つパワーの大きさを改めて実感することができました。立ったり座ったりの展示作業を繰り返す中、お客様からの質問がばんばん飛び交い、また設営している様子を熱心に撮影している人も目立ちます。設営中は柵を設けていましたが、オープニング以降は柵をはずして、作品の中をぐるっと回れるようになります。


上から見る作品は、また格別です。宋冬もかなりお気に入りのようです。MoMAへ行く機会のある方は、上からもお見逃しなく!


設置の最終仕上げの段階で確認をしながら、つい思い出話に花が咲きます。左から宋冬、宋冬の奥さん、宋冬のお姉さん。


最後の最後の仕上げの段階では、宋冬とYin Xiuzhenの二人だけが会場に残り、その後、無事に設営は終了したようです。展覧会のオープンは6月24日。9月7日まで開催しておりますので、夏休みにニューヨークへ行かれるご予定のある方は、ぜひともご覧ください。
本作品、「Waste Not/物尽其用」については、過去のブログもご参照ください。

0 件のコメント: